ビリヤードは「ボールをキューで撞く」スポーツです。
ボールに実際触れるのは、キューの先端についているタップです。
ボールとタップが実際に接触している時間は、0コンマ何秒の世界―
いわゆる「一瞬」というやつです。
その「一瞬」に全ての情報が詰め込まれた結果、放たれる方向、スピード、スピンの量が決定されているのです。
一瞬過ぎて目で追えないけれど、そういうことなのです。
その「一瞬」を充実したものにする為に、
ストロークがあり、グリップがあり、ブリッジがあり、利き目があり、スタンスがあり、フォームがあり、練習時間を捻出し、健康管理をし、フィリピンに修行に行き、35万円のキューをローンで買い、ビリヤード場で働くことにし、新幹線で関西の試合に行き、1点200円のゴーキューをし、上手い人と仲良くし、左手の中指にタコができ、蝶ネクタイを伊勢丹で捜し回り、社会的にアウトサイダーとして生きていく覚悟をし、離婚をし―
と、人は様々なアクションを敢行します。
ビリヤードにおける対戦は、この「一瞬の積み重ね」によって構成され、勝者を決定します。
「一瞬の積み重ね」なのに、ビリヤードの試合は1試合につき、おおよそ40分〜2時間を要します。(もちろんセット数により上下します)
なんでそんなに時間を喰うのでしょう。
それは、
自分の手番になり、椅子からテーブルまで歩き、球の配置を見て状況を判断し、チョークを塗りながら実際のショットをイメージし、正しいルーティンからアドレスに入り、何回かストロークと眼球移動を繰り返して厚みを合わせ、「えいや!」とインパクトし、放ったボールが停止するまで見届け、ポジションがイメージと違うと首をかしげ、引き球が想定よりキレ過ぎればチョークでテーブルをカツカツ叩き「おねがい止まって」のジェスチャーを繰り出し、メカニカルブリッジでミスキューを犯し2秒間フリーズし…(以下繰り返し)
に時間を使っているからです。
(さんざん書き連ねたのですが)ようやく本題です (´・ω・`)
筆者は、この一連のプレーに著しく時間を使う人―
いわゆる「遅撞きな人」を歓迎しません。
対戦相手がいる以上、「テーブル上で使う時間」は自分だけのものではなく、相手と共有しているもの。
もっと言えば、それを観戦しているギャラリーとも共有しているものです。
お店で撞いているならば、毎分毎秒、ゲーム代が加算されています。
試合で撞いているならば、全体の試合進行を遅らせたり、ギャラリーを退屈な気持ちにさせたりもしてるでしょう。
しかしながら「ビリヤードのガチンコ勝負」とは、時として想像を絶するタフさが要求されます。
本当にぎりぎりの苦しい場面、すぐには撞けない場面が、往々にしてあります。
そこで十分な時間を使うことを不愉快におもう人は、少ないとおもいます。
それはその「苦しさ」や「重み」を、球の配置、現在のスコア、本人の表情、試合のグレードなどから、第三者でも十分に察することができるからです。
大事なのは、そういうシチュエーションがあることは重々承知した上で
どれだけ通常時の(ベースとなる)プレーをスピーディーにするか(無駄なアクションを省くか)
だとおもいます。
普段から心がけてなければなんにも変わりませんが、心がけている限り改善の余地は十分にあることです。
幸い、日本もプロを中心にスピーディーなプレースタイルに移行してきています。
どんどん影響を受けて、全体のプレースピードの底上げ&一般の方達も「歯切れ良いプレーの観戦」をたのしんでもらえるようになればとおもいます(*^-^)
Links
人気記事(瞬間)
検索BOX
気になる人名・用語を入れて下さい
(BLOG内でHITがあれば一覧で表示します)
(BLOG内でHITがあれば一覧で表示します)
ビリヤード用語を検索できます
(ビリヤード総合情報サイト【ビリヲカ】にジャンプします)
Weekly Accesses
Total Accesses
- 累計:
「遅撞き」についてへのコメント
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?